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Introduction
イタリア文学界の巨匠チェーザレ・パヴェーゼの同名小説をラウラ・ルケッティ監督が現代的な感性で映画化。青春の輝きと残酷さを描き、第77回ロカルノ国際映画祭や「イタリア映画祭2024」でも上映され、観客を魅了した。ジーニア役には、『墓泥棒と失われた女神』(24)などアリーチェ・ロルヴァケル作品常連の実力派イーレ・ヴィアネッロ。アメーリア役には、モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルを両親に持ち、ディオールのアンバサダーも務める世界が注目する新星ディーヴァ・カッセルが抜擢。本作でスクリーンデビューを果たす。戦争の影が静かに迫る中、対照的な2人を通して、少女が少しずつ大人になっていく過程が、繊細に映し出される      文学、アート、ファッションが交差する不朽の名作がスクリーンに蘇る。
『美しい夏』
パヴェーゼ作 河島英昭訳(岩波文庫)
チェーザレ・パヴェーゼ(1908–1950)
20世紀イタリア文学を代表する作家・詩人。 『美しい夏』はファシズム体制下1940年に執筆され、1949年に刊行された。 翌年にストレーガ賞を受賞したが、その2か月後、42歳で自ら命を絶った。
Story
1938年、トリノでお針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、画家のモデルとして生計を立てる3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。アメーリアによって芸術家たちが集う新しい世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく      
Cast
イーレ・ヴィアネッロジーニア役
Yile Yara Vianello
1999年、ブラジル生まれ。イタリア・トスカーナ地方のアペニン山脈に位置するイタリア初のエコビレッジで、自給自足の暮らしを基盤とするコミュニティのなかで育つ。幼少期にアリーチェ・ロルヴァケル監督と出会い、2011年、同監督の長編デビュー作『天空のからだ』の主演に抜擢。第64回カンヌ国際映画祭監督週間で上映され、演技末経験ながらも圧倒的な存在感を放ち、鮮烈なデビューを飾る。以後も、話題作への出演を重ね、ラウラ・ルケッティ監督によるTVシリーズ『Nudes(原題)』(21)や、ロルヴァケル監督の最新作『墓泥棒と失われた女神』(23)でもジョシュ・オコナー演じる主人公の恋人役を好演するなど、実力派監督との継続的なコラボレーションから厚い信頼がうかがえる。2023年には『The Year of the Egg(英題)』(クラウディオ・カサーレ監督)でも主演を務め、2025年にはさらに2本の主演作が控えている。
ディーヴァ・カッセルアメーリア役
Deva Cassel
2004年、イタリア・ローマ生まれ。モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルを両親に持ち、フラ ンス・パリで育つ。14歳でドルチェ&ガッバーナのキャンペーンモデルに起用され、2020年にはファッション誌『ELLE』の表紙を飾り、本格的にモデル活動を開始。2023年にはディオールのアンバサダーに就任し、2024年9月には『Vogue Italia』創刊60周年記念号でも表紙に抜擢されるなど、トップブランドの顔として活躍している。幼い頃から演技レッスンを受けており、本作で待望のスクリーンデビュー。同作の監督ラウラ・ルケッティが共同監督を務めるNetflixリミテッドシリーズ『山猫』では、ルキノ・ヴィスコンティの名作映画でクラウディア・カルディナーレが演じた役を再演し、大きな話題に。アレハンドロ・ゴメス・モンテヴェルデ監督による新作映画『Zero A. D.(原題)』(25年公開予定)への出演も決まっているなど、映画界でも注目される新星としてその存在感を高めている。
Staff
監督・脚本
ラウラ・ルケッティ
Laura Luchett
1969年、イタリア・ローマ生まれ。1997年、短編映画『In Great Shape(英題)』を初監督。2004年に は、第76回アカデミー賞で高い評価を得た映画『コールド マウンテン』(03/アンソニー・ミンゲラ監督) についてのドキュメンタリー『メイキング・オブ「コールド マウンテン」』を共同監督・製作。『Hayfever(英題)』(10)で長編デビューを果たした後、短編アニメ『レアの大好きなこと』(16)が数々の国際映画祭で選出されるなど注目を集める。短編アニメ第2作『Sugarlove(原題)』(18)は第33回ヴェネチア国際批 評家週間の特別招待作品として上映されたほか、ナストロ・ダルジェント賞で最優秀アニメーション賞を受賞。また同年、長編2作目となる『Twin Flower(英題)』(18)が数多くの国際映画祭で上映され、トロント国際映画祭ではFIPRESCI特別賞を受賞。2021年には、10代のリベンジポルノをテーマにしたTVシリーズ『Nudes(原題)』で監督を務め、イタリアでの初回放送で100万回再生超えを記録。長編第3作『美しい夏』(23)は、ロカルノ国際映画祭のピアッツァ・グランデ部門に出品。同作主演ディーヴァ・カッセルが 出演したNetflixリミテッドシリーズ『山猫』(25)でも共同監督を務め、巨匠ルキノ・ヴィスコンティによる名作のドラマ化としても話題になるなど、現在イタリア映画界が注目する映画監督の一人として知られる。