AWARDS
AWARDS
2023年スイス映画賞 最優秀ドキュメンタリー賞ノミネート
第75回ロカルノ国際映画祭セレクション
第69回シドニー映画祭セレクション
第57回ソロトゥルン映画祭オープニング作品
第36回リーズ国際映画祭セレクション
第28回アテネ国際映画祭セレクション
第49回ゲント国際映画祭セレクション
第21回トランシルバニア国際映画祭セレクション
REVIEW
REVIEW
女性同士の愛、レズビアンのアイデンティティ、
そして彼女たちを“ペルソナ・ノン・グラータ (歓迎されない人々)”
とみなす社会による暴力に苦しんできた人々の戦いへの
美しい賛辞である。
Cineuropa
本作の真の功績は、
インタビューされることを "深い屈辱 "と表現した、
警戒心の強い著名な女性の内面に
アクセスできることであるだろう。
The Hollywood Reporter
作家のセクシュアリティを中心に据えることで、
映画監督エヴァ・ヴィティヤはハイスミスのファンだけでなく、
すべてのクィア史に大きな貢献をしている。
Indie Wire
INTRODUCTION
INTRODUCTION
『太陽がいっぱい』『キャロル』『アメリカの友人』を生んだ人気作家、パトリシア・ハイスミスの謎に包まれた作家人生と素顔に迫るドキュメンタリー
『太陽がいっぱい』『キャロル』『アメリカの友人』を生んだ人気作家、パトリシア・ハイスミスの謎に包まれた作家人生と素顔に迫るドキュメンタリー
欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る、サスペンス、ミステリー作家、パトリシア・ハイスミス。トルーマン・カポーティに才能を認められ、『太陽がいっぱい』『キャロル』『見知らぬ乗客』『アメリカの友人』などの映画史に残る名作の原作の数々を生みだした。中でも偽名で発表した『キャロル』は自伝的小説であり、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。しかしそんな栄光を手にしながらも、ハイスミス自身は、女性達との旺盛な恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。
本作ではハイスミスの生涯を、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、タベア・ブルーメンシャインをはじめとする元恋人達や家族によるインタビュー、そしてヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜながら、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリーである。『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズで知られるグウェンドリン・クリスティーのナレーション、そしてフランスのギタリスト、ノエル・アクショテが書き下ろし、ビル・フリゼールとメアリー・ハルヴォーソンが演奏に参加した楽曲に導かれ、現代ますます再評価の高まる女性作家の、クールな仮面の下に隠された、惚れっぽく、傷つきやすく、愛を渇望し続けた、知られざる素顔が明かされる。
PatriciaHighsmith
PatriciaHighsmith
パトリシア・ハイスミス
Patricia Highsmith
1921年1月19日、アメリカ、テキサス州フォートワース生まれ、ニューヨーク育ち。バーナード・カレッジ在学中より短編小説の執筆を始める。1950年に発表した長編デビュー作『見知らぬ乗客』でエドガー賞処女長編賞を受賞。 同作は翌年にアルフレッド・ヒッチコックにより映画化される。1952年、クレア・モーガン名義で自らの体験を基にしたロマンス小説『The Price of Salt』(後に『キャロル』と改題)を刊行。その他の主な著書に『太陽がいっぱい』をはじめとする「トム・リプリー」シリーズ、『水の墓碑銘』、『殺意の迷宮』など。1962年よりヨーロッパに移住。 1995年、スイスのロカルノで再生不良性貧血と肺がんの併発により逝去。74歳没。
主な著作
     
1950年
『見知らぬ乗客』 Strangers on a Train
1952年
『キャロル』 Carol(The Price of Salt)
1954年
『妻を殺したかった男』 The Blunderer
1955年
『太陽がいっぱい』 The Talented Mr. Ripley
1957年
『水の墓碑銘』 Deep Water
1958年
『生者たちのゲーム』 A Game for the Living
1960年
『愛しすぎた男』 This Sweet Sickness
1962年
『ふくろうの叫び』 The Cry of the Owl
1964年
『殺意の迷宮』 The Two Faces of January
『ガラスの独房』 The Glass Cell
1965年
『殺人者の烙印』 A Suspension of Mercy
1967年
『ヴェネツィアで消えた男』 Those Who Walk Away
1969年
『変身の恐怖』 The Tremor of Forgery
1970年
『11の物語』 Eleven(短編集)
『贋作』Ripley Under Ground
1972年
『プードルの身代金』 A Dog's Ransom
1974年
『アメリカの友人』 Ripley's Game
1977年
『イーディスの日記』 Edith's Diary
『女嫌いのための小品集』 Little Tales of Misogyny(短編集)
1980年
『リプリーをまねた少年』 The Boy Who Followed Ripley
1983年
『扉の向こう側』 People Who Knock on the Door
1986年
『孤独の街角』 Found in the Street
1991年
『死者と踊るリプリー』 Ripley Under Water
1994年
『スモールgの夜』 Small g.: A Summer Idyll
パトリシア・ハイスミスの主な著作
     
『見知らぬ乗客』
訳:白石朗
発行:河出書房新社(2017年)
『キャロル』
訳:柿沼瑛子
発行:河出書房新社(2015年)
『水の墓碑銘』
訳:柿沼瑛子
発行:河出書房新社(2022年)
『太陽がいっぱい』
訳:佐宗鈴夫
発行:河出書房新社(2016年)
『贋作』
訳:上田公子
発行:河出書房新社(2016年)
『アメリカの友人』
訳:佐宗鈴夫
発行:河出書房新社(2016年)
『リプリーをまねた少年』
訳:柿沼瑛子
発行:河出書房新社(2017年)
『死者と踊るリプリー』
訳:佐宗鈴夫
発行:河出書房新社(2018年)
映画化された主な作品
     
『見知らぬ乗客』1951年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ファーリー・グレンジャー、ロバート・ウォーカー
『太陽がいっぱい』1960年
監督:ルネ・クレマン
出演:アラン・ドロン、マリー・ラフォレ
『死刑台に接吻』1969年
監督:ロバート・スパー
出演:ポール・バーク、キャロル・リンレイ
『アメリカの友人』1977年
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:デニス・ホッパー、ブルーノ・ガンツ
『愛の絆』1977年
監督:ハンス・W・ガイセンデルファー
出演:ヘルムート・グリーム、ブリジット・フォッセー
『ふくろうの叫び』1987年
監督:クロード・シャブロル
出演:クリストフ・マラヴォワ、ヴィルジニー・テヴネ
『リプリー』1999年
監督:アンソニー・ミンゲラ
出演:マット・デイモン、ジュード・ロウ
『リプリーズ・ゲーム』2002年
監督:リリアーナ・カヴァーニ
出演:ジョン・マルコヴィッチ、ダグレイ・スコット
『リプリー 暴かれた贋作』2005年
監督:ロジャー・スポティスウッド
出演:バリー・ペッパー、クレア・フォーラニ
『ギリシャに消えた嘘』2014年
監督:ホセイン・アミニ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンスト
『キャロル』2015年
監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ
『ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男』2014年
監督:アンディ・ゴダード
出演:パトリック・ウィルソン、ジェシカ・ビール
『底知れぬ愛の闇』2022年
監督:エイドリアン・ライン
出演:ベン・アフレック、アナ・デ・アルマス
STAFF
STAFF
監督・脚本:エヴァ・ヴィティヤ
Eva Vitija
1973年、スイス、バーゼル生まれ。2002年にドイツ映画テレビ・アカデミー(DFFB)で脚本家としてのディプロマを取得。脚本家としてスイスとドイツで活躍し、『Meier Marilyn(原題)』(03)、『Madly in Love(原題)』(10)、『Sommervögel』(10)など、映画やテレビの長編作品の脚本を多数執筆。2015年、チューリヒ芸術大学(ZHdK)の修士課程の一環として、監督として初の長編ドキュメンタリー映画『My Life as a Film:How My Father Tried To Capture Happiness(英題)』を制作。同作品はスイス映画賞や、ロサンゼルス国際ドキュメンタリー協会で最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされ、第51回ソロトゥルン映画祭などで賞を受賞した。チューリッヒ在住。
撮影:シリ·クルーグ
Siri Klug
オーストリア、ブルーデンツ生まれ。スワヴォミール・イジャック(『トリコロール/青の愛』)、ミヒャエル・バルハウス(『ギャング・オブ・ニューヨーク』)、ハンス・フロム(『水を抱く女』)などの著名な撮影監督に師事し、ラインホルト・フォルシュナイダー(『Orly(原題)』)のもとでセカンドカメラを担当。2020年、最優秀ドキュメンタリー部門でドイツ映画賞を受賞。
音楽:ノエル·アクショテ
Noël Akchoté
1968年、フランス、パリ生まれ。フリー・インプロヴィゼーション、クラシック、実験音楽、ジャズの分野で活躍するギタリスト。様々な編成のリードギタリストとして、アンリ・テキシェ、マーク・リボー、ジャック・トロ、ティム・バーン、フレッド・フリス、エヴァン・パーカー、ユージン・チャドボーン、ロル・コックスヒルらと共演。さらに俳優、サウンドトラック作曲家、音楽監督としてさまざまな映画に携わり、ティエリー・ ジュス、マイケル・ロンズデール、クレール・ドゥニと共に仕事をしてきた。本作では、世界で最も有名なジャズ・ギタリストの2人、ビル・フリゼールとメアリー・ハルヴォーソンをサウンドトラックに起用した。