1969年、ロシア、ロストフ・ナ・ドヌ生まれ。演出家・映画監督。ロストフの劇場で演出家を務めたのち、2000年代以降はモスクワ芸術座などで、数多くの舞台の演出を手がける。2012年には若くして権威あるゴーゴリ・センターの芸術監督に指名され、鬼才演出家として頭角を現す。2017年、国からの演劇予算の不正流用を疑われて詐欺罪で起訴され、自宅軟禁に。かねてより政権に批判的な姿勢を明らかにしていたため、この逮捕を不当な政治弾圧と見る向きもあり、演劇界・映画界からセレブレンニコフを支持する声が上がった。2018年8月にフランス芸術文化勲章最高位を受章。2020年6月10日に有罪判決が下され、執行猶予付き3年の刑及び罰金が科され、保護観察下に置かれる。2022年3月、容疑取り消し裁判の決着後にロシアから亡命し、現在はドイツなどを拠点に制作を続けている。主な監督作に、第69回カンヌ国際映画祭フランソワ・シャレ賞受賞作『The Student(英題)』(16/未)、第71回カンヌ国際映画祭サウンドトラック賞最優秀作曲家賞受賞作『LETO -レト-』(18)、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作『インフル病みのペトロフ家』(21)など。本作『チャイコフスキーの妻 』(22)は、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された。さらにベン・ウィショーがロシアの活動家、エドワルド・リモノフを演じた最新作『Limonov: The Ballad(原題)』(24)は、第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて上映されるなど、今世界から最も注目される演出家・映画監督の一人として躍進を続けている。
Filmography
1998年
『Undressed(英題)』
2003年
『Bed Stories(英題)』
2004年
『Ragin(英題)』
2006年
『Playing the Victim(英題)』
2008年
『Yuri’s Day(英題)』
2012年
『Betrayal(英題)』
2016年
『The Student(英題)』
2018年
『LETO ‒レト‒』
2021年
『インフル病みのペトロフ家』
2022年
『チャイコフスキーの妻』
2024年
『Limonov: The Ballad(原題)』
Cast
アリョーナ・ミハイロワ
アントニーナ
1995年10月11日、ロシア、ペルミ生まれ。幼少期は体操、ボート競技、陸上競技、サッカー、バスケットボールなどに打ち込むが、怪我によりスポーツのキャリアを断念し、ペルミ国立文化大学で演劇・俳優コースを専攻。卒業後にモスクワに移り、映画界でのキャリアをスタートさせる。2019年にマリア・アグラノヴィッチ監督『Love Them All(英題)』で初の主役を演じ、注目を集める。2020年に放送された人気TVシリーズ『Chicks(英題)』ではメインキャストを演じ、以降多数の映画・TVシリーズに出演。本作『チャイコフスキーの妻』(22)のアントニーナ役はオーディションで勝ち取り、その圧倒的なパフォーマンスは批評家から絶賛された。